江國香織の小説を読んだのは
この赤い「冷静と情熱のあいだ」が
初めてです
初めての作家というのは
その文章に溶け込むのに
時間がかかってしまう時があります
その文体が 難しい、平易である、
ということには関わらず
私にとって
江國香織の文章は
そういう類の文章でした
ひとつ 心に残ったシーンは
主人公のあおいと
現在の恋人であるマーブの姉との
何気ないシーン
「私が怠惰でも、マーブは許してくれるわ」
つぶやくあおいに
アンジェラが
「誰かに許してもらう必要があるの?」
と尋ねる雨のシーン
何故か心に 響きます